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「その手で」 [詩]

みなさん、こんばんは。


今日は思うところあって詩を作りました。絵文字を使うのも、ちょっと今日は遠慮させていただきます。すいません。



「その手で」


幼子よ
その温もる小さな手で
君は何を掴む?

こんなに儚げなものがこの世にあるなんて
僕は知らなかったよ

小刻みに動く小枝のような指に
僕のこの大きな指を絡ませて
笑ってくれることが

奇跡に近いことだと知って
僕は涙を流さずにはいられないんだ

この温かみがあることで
君がここにいることで
ようやく意味みたいなものがどうでも良くなった

ありがとうと声をかけるべきか
ただ笑って泣いているべきか
今の僕にはその判断も付かないのだけれど

幼子よ
その温もる小さな手で
僕の指をそっと握ってくれないかい?

これから先
君が掴むものすべてを
僕たちが見続けることは叶わないけれど

このたとえようもない温もりだけは
確かな命としてここにある

生きているということは素晴らしいことだと
本気で思ったのはきっと今日が初めてだから
この世界に絶望せずに

その小さな手で
何かを掴んでおくれ

あわよくば類稀なる健康と
出会うものすべてが良縁でありますようにと


僕らは祈るばかりだが


「平成20年10月28日」



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