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吉野弘 [詩]

明日は久々の休みです[わーい(嬉しい顔)]
そして明後日は徹夜の仕事です[バッド(下向き矢印)]

中学生の頃に遡ります。

僕はどちらかというと理数系で、英語とか国語って、どちらかというと興味が湧かない方でした。当然、教科書に載っている、小説や詩などに対しても、教育材料ぐらいの感想しか持っていなかったんです(普通そうかな?[たらーっ(汗)])。
あれは何年生のことだったでしょうか。全然覚えていませんが、その時使っていた教科書にこんなタイトルの詩が載っていたんです。

「夕焼け」

とてもとてもシンプルな詩でした。
それまで教科書に載っていた詩には、何の共感も持てずにいました(なんか小難しい言い回しが多かった)が、その詩だけは何故か心に引っ掛かったんです。

全文載せちゃうとまずいと思うので、概要だけお伝えすると、

あるバスに乗った女の子。
目の前に年配の方がいらしたので、その子は席を譲りました。
席が空き、その子はまた座ります。
そしてまた。
同じような状況が訪れます。
しかしその子は、席を立つことはありません。
下唇を噛んで、床に目を伏せ、じっと時間が過ぎるのを待ち続けます。
その時外に広がる、美しい夕焼けも見ないで・・・・。

という内容だったはずです(手元に資料がなくて・・)。

この詩の一節にこんな言葉があります。

「優しい心の持ち主は受難者になる(簡略)」

とても分かりやすい言葉で綴られたその詩を、僕は大好きになりました。
情景が頭に浮かび、その女の子の気持ちが痛いほど分かるような気がしたものです。
書かれていたのは、吉野弘という詩人の方でした。

そして、高校に進学し、さらに文系科目には興味がなく・・・。
しかし。
これも何年かは忘れましたが、またまた教科書に載っている詩に、衝撃を受けました。タイトルは、

「I was born(僕は産まれさせられた)」

という詩でした。
ある親子。父と息子。
息子は言います。
「僕は産まれさせられた」と。
父はそのことについては何も答えず、ただ、蜉蝣(かげろう)の話をします。
お腹いっぱいに子供を孕んで、ただ死んでいくという、蜻蛉という生き物の話を。
息子も黙ってそれを聞いています。
自分を産んで、すぐにいなくなってしまった母親のことを思い出しながら・・・。

こんな内容だったと思います。

タイトルに惹かれて、授業とはまったく関係ないのに、気になって気になって、何度も読み返しました。
書いた方の名前は、吉野弘。

偶然でしょうか?必然でしょうか?

事実なのは、僕はその数年後、吉野弘さんの詩集を買って、今でも大事に(押し入れの中かも[たらーっ(汗)])持っているということです。

機会があったら、なんて言えない代物ですけど、僕にとっては、たまらなく縁を感じる出来事だったというお話です。





タグ:吉野弘
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コメント 2

優君のパパ

こんばんは。私のブログの方にコメントいただいていて、ありがとうございます。

吉野弘さんの詩集は私も持っていますよ。「初めての子に」とか好きです。「小さな死を分け与えたのだろう」ってとこがグッときます。「I was born」とは逆の角度の歌ですが、人の親になったらこっちがしみますね。

吉野さんは平明な言葉で読者の認識の変化を促すような詩を書くということで、教材として人気の詩人さんです。

「夕焼け」はたしか中2教材ですかね(ちなみに電車ですよー)


 

by 優君のパパ (2008-09-27 21:59) 

tencyo

優パパさん、コメントありがとうございます~~^^まさか僕の方のブログでお返事頂けるとは思っていなかったのでとても嬉しいです!

というか、まさか吉野弘の記事の時とは思わずビックリしました^^;ご指摘ありがとうございます、バスと信じて疑わなかった自分にビックリしました。

今日(28日)の記事で訂正かけます^^

またそちらのブログにもコメント書かせていただきます。
ほんとにありがとうございました!
by tencyo (2008-09-28 00:22) 

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